11月から「労働時間適正化キャンペーン」 ダラダラ残業撲滅のチャンスです!

11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施

厚生労働省では、長時間労働や、これに伴う問題の解消を図るため、11月を「労働時間適正化キャンペーン」(別添1)期間とし、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布による周知啓発などの取り組みを集中的に実施します。

労働時間の現状を見ると、依然として長時間労働の実態が見られることから改善が必要な状況にあります(※)。長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するとためには、使用者のみならず、労働者や労働組合、産業保健スタッフなど、すべての関係者の理解を得て、労使が一体となった取り組みが行われることが重要です。

引用元: 11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施|報道発表資料|厚生労働省

■ 11月から「労働時間適正化キャンペーン」!! 残業情報も積極的に収集?!

厚生労働省のHPによると、11月は労働時間適正化キャンペーンだそうです。
重点事項は次の通りです。


(1) 時間外労働協定の適正化などによる時間外・休日労働の削減
(2) 長時間労働者への医師による面接指導など、労働者の健康管理に関する措置の徹底
(3) 労働時間の適正な把握の徹底

また、主な実施次項としては次のようなものが上がっています。

(1)使用者団体及び労働組合に対する協力要請
使用者団体及び労働組合に対し、労働時間の適正化に関する積極的な周知・啓発等の実施についての協力要請を行います。

(2)職場の労働時間に関する情報提供の受け付け
職場の労働時間に関する情報を下記URLに設置する「労働基準関係情報メール窓口」で受け付けます。
期間 : 11月1日(火)から11月30日(水)
URL: (11月1日よりアドレスを公開いたします。)

(3)周知・啓発の実施
事業主等へのリーフレットの配布、広報誌、ホームページの活用等により、キャンペーンの趣旨等について広く国民に周知を図ります。

厚生労働省、組合などをあげて情報提供を募集するとの事ですから、普段から残業の多い企業では注意が必要になるかもしれません。

■ 社員の労働時間管理は会社の義務 下手すると訴えられます

さて、このキャンペーンの対象には時間外労働の削減は当然のことながら、長時間労働になってしまった場合の対応が入っています。

深刻な不況が続く中で、慢性的な長時間労働により働く人の心身の健康が問題になっています。
ウツ病などのメンタルヘルスや心筋梗塞など、過労が原因と思われる労災申請も高止まりしています。企業には働く社員の健康についても配慮しなければなりません。これを「安全配慮義務」と言います。これは単なるスローガンではなく、法律上の義務として定められています。

法律上の義務という事は、裁判で訴えられる可能性がある、という事を示しています。
実際、最近では労災申請だけでなく、企業の安全配慮義務違反を訴え、損害賠償を求める裁判が起こっています。

もちろん、社員本人の不摂生による病気という事であれば会社の責任は問われません。しかし、長時間労働が続いており、そのストレスで・・・、という事が認められてしまうと、会社はその人の健康をケアしなかったという事で責められてしまいます。そんなバカな、と思うかもしれませんが、そういう時代なのです。

■ 労働時間管理=健康管理 会社は社員の健康にまで責任を負う時代です

では、具体的に社員の健康管理とはどうすれば良いのでしょうか。

これについて、労働安全衛生法という法律により、長時間労働者への健康を守るために会社がしなければならない事として次のような決まりがあります。

労働安全衛生法 第66条の八

事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。

2 労働者は、前項の規定により事業者が行う面接指導を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う同項の規定による面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

労働安全衛生規則 第52条の2

法第66条の8第1項 の厚生労働省令で定める要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。ただし、次項の期日前1月以内に面接指導を受けた労働者その他これに類する労働者であつて面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除く。

つまり、1月に100時間以上の残業をしている社員で、疲れ切っている人がいたら、医者に診せなければならないという事です。

また、会社には、社員の労働時間がどれくらいなのかを常に把握する事も求められています。「社員が勝手に残業した。」という言い訳は通用しないという事は覚えておいて下さい。「帰れ!」という命令を下しているくらいでなければ、「残業を黙認していた=残業を命令していた」という図式が成立してしまいます。

■ 長時間労働のリスクを抑えるために まずは「ダラダラ残業」をなくす

社内の体制をいきなり変えようとしても難しいと思いますが、少なくとも社員がどれくらい残業をしているのかを把握しておくことが時短の第一歩です。

社員の残業が多いようなら、「早く帰れ」と普段から声を掛けるように努めましょう。何も言われなければ社員本人も自覚がないままに長時間労働をだらだらと続けてしまいます。
長時間残業している社員には厳しく注意をしましょう。長時間の残業が美徳と勘違いしている人もまだ多いのが日本の現実です。残業に対して罪悪感を感じるくらいが丁度良いのではないでしょうか。

もし長く働く社員が良い社員と思っている社長がいらっしゃるようでしたら少し考えを改めた方が良いでしょう。社員の健康問題は今後の会社の抱える大きなリスク要素になります。その中心テーマは長時間労働です。


まずはダラダラ残業をなくす
これは社長、直属の上司など管理職の意識次第で改善出来るのです。
それでも長時間労働が治らない場合、その時こそ業務の偏りがないか、不必要な仕事をしていないかといった仕事の本質部分を調べてみるべきでしょう。

■ 過労による労災認定の基準 デッドラインは夜10時!

脳・心臓疾患の労災認定については、直前の1か月間に100時間の残業があった場合か、発症前2~6か月間にわたって、1か月80時間程度の残業があった場合は過労と認める事になっています。

脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準

過重負荷の有無の判断

著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同僚等にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
具体的には、労働時間のほか前記イの(ウ)のb~gまでに示した負荷要因について十分検討すること。
その際、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、

(1) 発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること

(2) 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること を踏まえて判断すること。

1ヶ月80時間の残業とは、1日に直すと約4時間弱です。

仮に終業時刻が夕方6時とするなら、毎晩9時、10時まで残っている社員は過労と認定されてしまうと言うことです。

この辺りの数字を気にとめて夜の会社を見回してみてはいかがでしょうか?

 

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