当事務所では、精神疾患の請求を得意としておりますが、中でもうつ病に専門特化しています。それは、私自身が「そううつ病」(診断当初は「うつ病」)を長年患い、この病気の辛さや特殊性をよく知っているからです。
一般的な多くの病気に比べて、うつ病などの精神疾患は特殊な存在です。目に見えない病気なので、ぱっと見では病気かどうかが解りにくく、検査数値などの客観的な証拠もないので、第三者がどれくらい症状が重いのかを判断する事が難しいのです。
一方で、障害年金は書面審査しかありません。年金機構の誰かと面接して診断してもらったり、詳細なレポートを提出するという事もなく、診断書というたった一枚の書類だけで判断されるのです。このため、いかに診断書の中に必要な情報を詰め込むかという事がとても重要になってくるのです。この診断書は主治医のお医者さんが作成するものですから、主治医の見立てがどうなのか、という点が結果を大きく左右します。客観的な数値データもなく、医師の見立てで結果が変わってくる、となれば、医師との情報共有がいかに大切かは言うまでもないでしょう。
ところが、医師とのコミュニケーションは意外に難しく、何をどう伝えて良いのか解らないという患者さんがほとんどだと思います。
また、どこまでが病気で、どこまでが自分の性格なのか解らない、それが病気のせいなのかどうか解らないなどの理由で言い出せない事もあります。かっこ悪いからちょっと見栄を張って答えてしまうという事もあるでしょう。
診断書の項目の中には、聞かれなければ気付かない事も沢山あります。又、普段の診察で聞くことと、診断書に記載すべき項目はぴったり一致するとは限りません。診断書では事細かに日常生活について記載するよう求められていますが、普段の診察でそこまで細かく聞いてくれるお医者さんは少ないと思います。お医者さんは、治療のエキスパートですが、障害年金の制度については専門家ではないからです。お医者さんは、病気を治すことに全力を尽くしてくれるのであって、障害年金を請求するために診察をしている訳ではないのです。勿論、障害年金の制度をよく熟知して配慮してくれるお医者さんもいらっしゃいます。けれども、お医者さんの経験などによって知識に偏りがあるというのが実情なのです。
それに対し、我々社会保険労務士は、障害年金請求のプロフェッショナルです。診断や見立てはできませんが、認定の勘どころについては熟知しています。
治療のプロである医師と、年金請求の専門家である社労士が協力して診断書を作っていくことがとても大切なのです。しっかり障害年金が認定される為には、漠然と、診断書を書いて下さい、とお願いする以上の内容を医師に伝え、年金が通りやすい診断書づくりをしなければなりません。
私は、障害年金専門の社労士としてのキャリアもあります。うつ病などの精神疾患のご相談も沢山うかがっています。同時に自分自身の経験として、うつ病の患者としての視点も持っています。患者として「言いたいこと」と、社労士として「言うべきこと」、この両方が解っています。患者でもあり、専門家でもある私は、ご相談を受けるなかで、患者さんが何に困っているのか、何を伝えたいのかを聞くだけでなく、「言うべきこと」をしっかりと棚卸しし、医師に伝えることができます。その結果、悔いのない、しっかりした診断書ができあがり、ひいては障害年金の受給への近道となるのです。