障害年金セミナー受講記 最終日編 障害年金の請求でも先を見越した戦略がものを言う

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■日曜日のセミナー講師は元厚労省官僚 裏事情に期待大!!

2日目のセミナーの講師は、なんと元厚生労働省の官僚。年金事務所勤務経験もあり、その経験を活かし、今は障害年金専門の社労士をされているそうです。請求を出すだけでなく、請求される立場を経験した事もある方の話しとあって、裏話なんかも聴けるのでは、と期待は高まります。

実際、審査する側がどう言うところを気にするのか、と言ったところにまで話しが及び、請求書作成に当たって大いに参考になるものでした。

■元官僚講師の様々な手練手管の数々!

セミナーの内容は、まず、基本的な請求事務の注意点を確認した後、具体的な事例に即して、申立書、診断書それぞれについて、事細かな注意点の解説でした。

まず、基本的な事ですが、同じ症状であっても、書き方次第で大きく印象が変わるということを確認しました。そういう事は当然わきまえてはいるのですが、やはり、こういう場で講師をする程の方の経験値は侮れません。

例えば、受診を怠っていた期間についての書き方は、単にサボっていたとか治ったとか書くのは最低で、外出できる状態ではなかった、外に出るのが怖かったなど、より辛い状況であった可能性を示唆するべき。更に、勝手な判断で処方された薬を飲むのを止めてしまいショック症状が出てしまった場合は、服薬管理ができなくなるような状態だった為、そういう状況に陥ってしまった、と書くと全く印象が変わってしまいます。

■診断書は整合性を持っていなければ役人から信用されない

ここで、元官僚という立場ならではの意見がありました。

診断書を読む方としては、毎日沢山の請求に目を通します。読み易く、請求書類全体が整合性がとれたものがやはり心証が良いのです。あまりダラダラと長いだけの書類や、それぞれの書類の内容に矛盾があるような場合は、それぞれの証拠としての信用が落ちてしまうのです。まず、全ての書類の整合性に気をつけなければなりません。

そういう観点からすると、医師に診断書を依頼する時にも、その依頼の順番にも気をつけなければならないのです。全て1人の医師しか関わっていなければ良いのですが、複数の医師が関わっている場合、それぞれの診断書の内容に矛盾が生じないようにしなければならないのです。そのためには、実際の病歴と同じ時系列に沿って診断書の依頼の順番を組み立てなければならないという事です。

例えば、最初の医師に通っていた時よりも、次の医師に通っていた時の方が良くなっている、という申し立てをしているのに、診断書の内容が後の医師の書いたものの方が悪い評価になっていたのでは信憑性にかけてしまいます。この場合は、まず、先に通っていた医師の診断書を取った後、その診断書を元に、それを前提にした診断書を後の医師に作成してもらわなければならないのです。

そういったところまで気を配って、審査する方が、申し立ての内容を素直に理解でき、添付される書類がその事実をはっきり裏付けている内容にする事が大切なのです。

■医師とのやりとりは、やはりここでも重要視 診断書を要望通りに書いてもらうためには

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やはり土曜日のセミナーと同様に、医師とのやり取りこそが最も重要だという認識が示されました。

依頼主が望む結果を得られるような診断書の作成を医師にお願いできるかどうかが社労士の腕という事になります。

具体的には、まず、依頼人の望む結果を踏まえ、どのような診断書が必要なのかという事を考える必要があります。その為には、依頼人から詳しく聴き取った日常生活についての情報に基づき、まず自分で診断書の項目を埋めてみるという事が必要になります。どういう内容の診断書が望ましいのか、という事をはっきり具体的に現す事によって、医師との交渉に当たってはっきりとした指針を確立する事ができます。

その上で、その内容を、依頼人の自己申告として医師に提示します。勿論、お医者さんの見解がこれと一致するとは限りません。また、その通り書いてくれともお願いできません。医師は医学的知見に基づき診断書を作成しますが、あらかじめ見せられた本人の申告を無視するような診断書になる可能性を低くする事ができるのです。

■薬の処方履歴も大事な証拠

また、できるだけ意に沿う結果を得るためには色々な仕掛けもします。

例えば、服薬履歴。

診断書の内容には含まれない内容ですが、これをわざわざ添付する事もあるのです。薬というのは理由があって処方されるものですから、どんな薬をどれだけ飲んでいたのかという事を見るとどんな症状だったかというのもおおよそ察する事ができます。しかも、分量を数字で現す事ができるので、非常に客観性の高い証拠となり得ます。精神障害など客観的証拠の少ない事例では有効だと思います。

■あしたのために

こうした沢山の証拠をできるだけ盛り込んで診断書や申立書を作るのが望ましい事です。そして、その時には、先の事を見据えて仕込んでおく、という事も考えておかなければならないとの事。

これはどういう事かというと、最初の請求が思う通りの結果でなかった場合に、審査請求、再審査請求と次のステップがあります。その時に提出した書類に記載してある事柄の中で十分に主張ができるように、しっかりとその時に備えた材料を含めておく事が重要なのです。できれば一発で思い通りの結果が欲しいところですが、障害年金というのは書類だけのやり取りのため、どうしても意にそぐわない結果になってしまうことが多くあります。むしろ、審査請求くらいまではハナから覚悟しておいて、その為の戦略を潜ませておくくらいでないと代理人は務まらない、と。

実際、書面審査だけだとなかなか通らなかったものが、公開審理まで進んだらあっさり認定されたという事も多いとか。

依頼人本人は、どうしても先のことまでは考えられないケースが多いでしょうから、やはり冷静な代理人として、先先を見越した対応を取るように心がけたいと思いました。

■総括 2日間の研修から

2日間の研修を通して、やはり自分自身の至らなさを痛感しました。もっともっと多くの事例に当たって経験を積んで行くことがとても大事だと思います。また、実際に自分で任に当たる事ができるケースは数が限られています。様々な勉強会や書籍で事例に当たって行く事も重要だと感じました。

2日間で3人の講師の話しを聴きましたが、3人ともに共通していた事がありました。それは、診断書を含めた請求行為全体をしっかり把握してコントロールする事の重要性です。

初日の先生2人は、それを「デザイン」と言いました。2日目の先生は「整合性」という言葉を使っています。どちらも「戦略」を持って事に当たらなければならないと訴えていると受け止めました。

勿論、これまでもそうした事を意識して仕事をしてきたつもりでしたが、その具体性がまだ足りなかったようです。

今現在の請求スキームの見直しが早急に必要だと感じます。

具体的に、ヒアリングシートの見直しから始まって、医師に提出する意見書の内容も大幅に修正し、請求行為全体の「意志」自分は勿論、依頼人本人、医師に至るまで共有する事で円滑な請求が可能になるように改善していきたいと思います。

まだまだ勉強不足。そして障害年金の請求は本当に難しい。率直な感想です。だからこそ、代理人たる社労士の関わる余地があるのであり、とても社会的な意義の高い仕事なのだという事を再認識させられました。

これからも精進!精進!です。

 

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