「もう、何もしたくない…」
「家族に迷惑ばかりかけて、自分が情けない…」
うつ病や双極性障害などの精神疾患で苦しんでいると、こんな風に自分を責めてしまうことはありませんか?先の見えない不安、消えない焦り。働きたくても働けない体。私も、全く同じでした。
こんにちは。私は双極性障害(躁うつ病)と共に生き、現在は障害年金を専門とする社会保険労務士として活動している者です。
実は、私自身も障害年金に救われた一人です。収入ゼロで引きこもり、家族に頼るしかなく「自分には価値がない」とさえ思っていた日々。そんな私の人生を立て直すきっかけをくれたのが、「障害年金」でした。
この記事は、同じ苦しみを知る”当事者”として、あなたにお伝えしたいメッセージです。障害年金は、単なるお金ではありません。あなたの心を守り、人生を再スタートするための「お守り」になる制度だということを、どうか知ってください。
障害年金って、そもそも何?【知ることから始めよう】
「障害年金って聞いたことはあるけど、よくわからない…」
そうですよね。まずは基本的なことから、簡単にお話しします。
障害年金には、大きく分けて2種類あります。
- 障害基礎年金:初診日(病気で初めて病院に行った日)に、国民年金に加入していた方(自営業、フリーター、主婦、20歳前の学生など)が対象。
- 障害厚生年金:初診日に、厚生年金に加入していた方(会社員、公務員など)が対象。
どちらに該当するかは「初めて病院に行った日に、どんな働き方をしていたか」で決まります。一般的に、障害厚生年金の方が保障は手厚く、1級・2級に加えて、比較的軽度な「3級」まで対象となるのが特徴です。
誰も「もらえますよ」とは教えてくれない現実
ここで一番大切なポイントをお伝えします。それは、障害年金は「自分で気づいて、自分で動かないと受け取れない」ということです。
病院の先生が親切に教えてくれることもありますが、制度に詳しくない先生も多いのが実情です。市役所や年金事務所から「あなた、対象かもしれませんよ」なんて手紙が来ることも、まずありません。
私もそうでした。制度を知らず、病気になってから5年以上も手続きが遅れてしまいました。だからこそ、今この記事を読んでくださっているあなたには、「知らなかった」で損をしてほしくないのです。
「自分のお金」がある安心感。私が障害年金に救われた経験
私が双極性障害と診断されてから数年間、全く働くことができず、実家で引きこもる日々が続きました。収入はもちろんゼロ。情けないことに、いい大人が親からお小遣いをもらって、なんとか生活していました。
友達とご飯に行くなんて夢のまた夢。コンビニでジュース1本買うことすら、ためらってしまう。そんな毎日が、どれほど惨めで、窮屈だったか…。
そんな時、ようやく手続きした障害年金がもらえることになりました。
口座に振り込まれたのは、月々約5万円。決して、それだけで自立できる金額ではありません。でも、「自分の口座に、自分の名義で、毎月決まったお金が入ってくる」という事実が、どれほど私の心を救ってくれたか、言葉にできません。
それは、「社会から見捨てられていない」「自分にもまだ価値があるのかもしれない」という、小さな自信を取り戻すための、何よりの支えでした。
経済的な安心が、心の余裕につながる【うつ病の治療に専念するために】
うつ病や精神疾患の治療で最も大切なのは、「安心して休むこと」です。しかし、収入がなければ「早く働かなきゃ」という焦りが生まれ、心が休まる暇もありません。
- 家族に頼る生活で、肩身が狭い
- 「申し訳ない」という罪悪感が日に日に大きくなる
- お金がないから、何もできず、どんどん孤立していく
この悪循環は、病状をさらに悪化させます。私も「自分なんて、生きていていいんだろうか」と、暗い気持ちに飲み込まれそうになったことが何度もあります。
障害年金は、この負のループを断ち切るための、強力な武器になります。
毎月少しでも安定した収入があることで、「すぐに無理して働かなくても大丈夫」という心の余裕が生まれます。その余裕こそが、治療に専念し、回復への道を歩むための土台になるのです。
焦りを手放し、未来の選択肢を広げる
病状が不安定な中で焦って仕事を探し、無理をして働き、すぐに再発してしまう…。これは、精神疾患を持つ方が陥りがちな、本当につらいパターンです。
私も障害年金がなければ、きっと同じ道をたどっていたでしょう。
しかし、障害年金というセーフティーネットがあったおかげで、私は「自分に合った働き方とは何だろう?」と、じっくり考える時間を持つことができました。
「サラリーマンに戻るのは難しいかもしれない。でも、自分のペースで働ける自営業なら…」
そうしてたどり着いたのが、「社会保険労務士」という道でした。1年以上の勉強が必要な難しい試験でしたが、障害年金があったからこそ、焦らずに勉強に集中し、合格を掴み取ることができたのです。
障害年金は、「今すぐ働かなければ」というプレッシャーからあなたを解放し、未来の可能性を広げてくれる制度でもあるのです。
【まとめ】障害年金は、人生を立て直すための「お守り」です
この記事で、私が一番伝えたかったこと。それは、障害年金がただのお金ではなく、「経済的な安心」「精神的な安定」「未来の選択肢」という、人生を立て直すために不可欠なものを与えてくれる、希望の制度だということです。
もしあなたが今、うつ病や精神疾患で苦しみ、お金の不安を抱えているなら、まずは「障害年金」という選択肢があることを知ってください。
「自分ももらえるのかな?」
「どうやって調べたらいいんだろう?」
そう思ったら、まずはスマホで「障害年金 精神疾患」「障害年金 うつ病」と検索してみてください。もし手続きが難しければ、私のような専門の社労士に相談するのも一つの手です。
「知らなかった」ではなく、「知っていたから、行動できた」。
この記事が、あなたの人生を少しでも前に進める、小さなきっかけになれたら、これほど嬉しいことはありません。
あなたは、一人ではないのです。