うつ病で障害年金を請求しようと思ったけれど、誰に頼めば良いのか解らないという事はよくあると思います。ネットで検索すると社会保険労務士が専門であるという事は解るが、いろいろな社労士が出てくるので選べず、そこで止まってしまう人も多い事でしょう。うつ病の障害年金を頼むのには、どんな社労士が良いのでしょうか。
まず、第一に障害年金を専門にしている社労士であることです。社会保険労務士と言っても仕事の範囲は広く、いろいろな分野の専門家がいます。年金を専門にする社労士もいれば労務管理を専門にする社労士もいます。労務管理などを専門にしている社労士は障害年金については余り詳しくないという方もいます。まずはその社労士が障害年金を専門にしているかをチェックしてみて下さい。
では、障害年金を専門にしていればどの社労士でも良いのでしょうか。そうではないと思います。特にうつ病などの精神疾患の場合は頼む相手が重要になってきます。うつ病に強い、精通している社労士を選ぶ事が大事です。
まず、うつ病という病気の特性を考えてみましょう。手足の障害で車いす生活をしている人などと比べて、外見からはなかなか解りづらい病気です。しかも、身体そのものに障害があるのではなく、行動することや感情障害など、主観的な症状が強いため、病気そのものを理解してもらうことが難しいというのが現実です。又、脳の機能は非常に広く、多岐にわたります。ですから、一言にうつ病と言っても、症状は様々で、千差万別です。どんな症状が出ていて、どんな問題を抱えているのかは他人には解りません。何がどう辛いのかは、家族でもなかなか把握できず、やはり本人にしか解らない部分が多いのです。外から見ても解らない、自分で伝えなければ解らない病気であるということがうつ病の特殊性なのです。
このことは、医師との関係でも同じことが言えます。お医者さんだから何でも解っているかと言うと、そんなことはないと思います。自分の症状を事細かくしっかりと説明しなければ、医師と言えども解らない部分もあるのです。
こうしたうつ病の特性を踏まえ、うつ病に強い社労士とはどんな社労士なのかを考えてみましょう。
障害年金を請求するに当たり、とても重要な書類として、医師の記載する診断書があります。この診断書が障害年金請求の成否を決める重要な要素です。診断書を書いてもらう時には医師としっかりと情報共有していないと、自分の納得できる診断書を書いてもらえない可能性があります。伝えていない事は医師と言えども知りようがないのです。診断書を書くに当たっては、しっかりと自分の情報を伝えておく事が非常に大切になってきます。
この時、医師と患者が医師を共有する仲立ちとなるのが社会保険労務士の仕事だと思います。医師に、「何を」「どう」伝えるのかを把握していることがとても大切です。
そして、自分の症状や困っている事をしっかりと聞いてくれる社労士を選びましょう。いくら仕事のできる社労士でも、しっかりと親身になって聞いてくれなければ納得のいく請求ができませんし、話をしていてもフラストレーションが溜まってしまいます。
日常生活の様子を聞くという事は、とてもデリケートな事です。中には社労士から心ない言葉を言われて傷ついた経験のある人もいました。手続きや経験だけでなく、自分が心を打ち明けられる相手かどうかが決め手です。
こうした事を念頭に置いて、実際に会って話をするなど、しっかりと相性を見極めましょう。お互いに信頼できて何でも話ができる関係を築けるかどうかで、納得のいく請求ができるかどうかが変わってくるでしょう。