うつ病の障害年金|「初診日」を知らないと大損する3つの理由【当事者社労士が解説】

「障害年金をもらいたいけど、何から手をつけていいか分からない…」
「やるべきことが多そうで、結局後回しにしてしまう…」

もしあなたが今、そんな風に途方に暮れているなら、その気持ち、痛いほどわかります。私も、うつ病で動けなかった頃は全く同じでした。

でも、どうか聞いてください。障害年金がもらえるかどうかは、「最初の一歩」を正しく踏み出せるかで、その後の運命が大きく変わると言っても過言ではありません。

その「最初の一歩」こそが、「初診日」を特定すること。

「初診日って、初めて病院に行った日でしょ?」
そう思ったあなた、実はそこに大きな落とし穴が潜んでいるかもしれません。

この記事では、僕自身の経験も交えながら、なぜ「初診日」があなたの人生を左右するほど重要なのか、その理由を当事者であり社労士でもある僕が徹底解説します。この記事を読めば、あなたが次に何をすべきか、ハッキリと見えてくるはずです。

 

運命の分かれ道!「初診日」が超重要な3つの理由

「初診日」と聞くと、ただの日付だと思うかもしれません。しかし、障害年金の世界では、この日があなたの未来を決定づける「運命の日」になります。なぜそこまで重要なのか、知らなきゃ大損する3つの理由を、分かりやすく解説します。

理由① もらえる年金の種類と金額が変わる!

あなたがもらえる障害年金には、「障害厚生年金」と「障害基礎年金」の2種類があります。どちらがもらえるかは、なんと「初診日に、どんな働き方をしていたか」で決まるのです。

  • 障害厚生年金:初診日に会社員や公務員として厚生年金に加入していた人
  • 障害基礎年金:初診日に自営業、フリーター、主婦、学生など国民年金に加入していた人

一般的に、障害厚生年金の方が保障は手厚く、もらえる金額も多くなる傾向にあります。自分の給与明細を見て「社会保険料」が天引きされていれば、厚生年金に加入している証拠です。初診日が1日違うだけで、生涯受け取る年金額が大きく変わる可能性があるのです。

理由② 保険料を払っていたかの「チェック基準日」になる!

障害年金は、国が運営する「保険」制度です。普段から保険料をコツコツ払っていた人が、いざという時に助けてもらえる仕組み。そのため、「ちゃんと保険料を納めていましたか?」というチェックが入ります。

このチェックの基準日こそが、「初診日」なのです。

「病気になってから慌てて未納分を払う」という後出しジャンケンは認められません。「初診日より前」の時点で、保険料の納付要件をクリアしている必要があるのです。

では、どれくらい払っていればOKなのでしょうか?基準は2つあり、どちらか一方を満たせば大丈夫です。

  1. 【原則】全期間の3分の2以上を納付
    • 20歳から初診日までの全期間のうち、3分の2以上の月で保険料を納めている(または免除されている)こと。
  2. 【特例】直近1年間に未納がない
    • 初診日の前々月からさかのぼって、直近1年間の保険料をすべて納めていること。

「若い頃は払えていなかったけど、最近は真面目に払っている」という方でも、この特例のおかげで救われるケースは非常に多いです。あなたの納付状況が、初診日を基準に判断されることを、ぜひ覚えておいてください。

【上級者向けメモ】なぜ「初診日の前々月」なの?

法律では「初診日の前々月までに」と、さらに細かく決まっています。これは、年金保険料の納付期限が「翌月末」だからです。例えば3月15日が初診日の場合、1月分の保険料(納期限は2月末)は払っている必要がありますが、2月分の保険料(納期限は3月末)はまだ払っていなくてもセーフ、という理屈です。納付期間がギリギリの方は、このルールが明暗を分けることもあります。

理由③ 手続きの「スタートライン」が決まる!

障害年金は、原則として「初診日から1年6ヶ月経った日」から請求できるようになります。

つまり、初診日が特定できなければ、

  • いつから請求準備を始めればいいか分からない
  • 自分が厚生年金と基礎年金のどちらに該当するかすら分からない
  • 保険料の納付要件をクリアしているかチェックもできない

というように、何もかもが前に進まないのです。

逆に言えば、初診日さえ確定すれば、あとはパズルのピースがはまるように、やるべきことが次々と決まっていきます。年金事務所に「この日が初診日なのですが…」と相談すれば、その場であなたが対象になるかどうかの見通しを立てることさえ可能になります。

【まとめ】さあ、記憶の引き出しを開けてみよう

ここまで、障害年金における「初診日」がいかに重要か、お分かりいただけたでしょうか。

  • もらえる年金の種類が決まる
  • 保険料納付のチェック基準になる
  • 手続き全体のスタートラインになる

もしあなたが今、「どうしたらいいか分からない」と立ち止まっているなら、まずやるべきことは一つです。

「そういえば、今の心の不調につながる症状で、一番最初に病院に行ったのはいつ、どこの病院だったかな?」

この問いの答えを、記憶の引き出しから探ってみてください。忘れないように、スマホのメモや手帳に書き留めておきましょう。

その小さなメモが、あなたの人生を立て直す、大きな大きな第一歩になります。

【次回予告】

さて、今回は「初診日」の重要性について解説しました。次回の記事では、いよいよ「じゃあ、具体的にどうやって初診日を証明するの?」「カルテがなかったらどうするの?」といった、実践的な手続きについて詳しく解説していきます。お楽しみに!

 

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