◆ お役所の対応に納得がいかない時は・・・
日々を過ごしていると行政と関わる事も少なからずあるものです。そして、その行政の対応に納得がいかないということもままあるものです。
そうした時は、行政のやり方が気に入らない、と文句を言って適切な対応をし直すように再検討してもらうことができます。その制度として、よくあるのが審査請求というものです。この審査請求という制度を使えば、行政訴訟といった大げさなことをせずに自分の不満をぶつける事ができるのです。
そして、その審査請求でも意が通らなかった場合、さらにもう一度再考を願い出る再審査請求というものが用意されていることがあります。
再審査請求では、書面の提出もできますが、審査をする人たちに会って自分の思うところを直接述べる機会が得られます。審査するのも1人ではなく、複数の委員からなる審査会というものをつくり、その人たちの合議によって決まります。また、参与としてお役人さん以外の人が意見を述べたりもします。
ここでも不服が是正されなければ、もはや裁判しかないという最後の機会なので、審査請求よりもより公平性などが補償されているわけです。
◆ 労働保険審査会に参加してきました
さて、先日、ご依頼をいただいて、この再審査請求のお手伝いをする機会がありました。今回は労災の傷害認定に関する不服申立でしたので、管轄は労働保険審査会というところです。
この労働保険審査会というのは東京にあります。最近はビデオ会議システムが普及していて、必ずしも東京まで出向かずビデオ会議での申立もできるそうです。が、今回は、相手と会ってしっかり話をしたいということで東京に赴くこととなりました。
久しぶりの新幹線にちょっぴりウキウキしながら東京へ向かいます。審査会の開会時間は15時30分からなのですが、不測の事態に備えるということ、直前まで打合せをしたかったということ、心の余裕を確保するためということといった理由で、かなり早めに東京に入りました。
お昼過ぎには参加者全員が集まり、遅めの昼食をとりながら簡単にミーティング。その後、審査会会場の場所を確認してから、近くの喫茶店に陣取り本格的に作戦会議です。当然、これまでに何度も何度も会って打合せをしていますが、直前まで情報収集や新しい証拠探しなどを行っていたので、まずはそれら各自の持ち寄った情報確認からです。最終的に集まった情報から、若干の作戦の修正を行い、話す内容の役割分担などを最終チェックします。
◆ いよいよ審査会会場へ
審査会場となるのは、東京の浜松町にある労働委員会会館というビルです。
審査会は8階で行われますが、まずは審査会出席者の控え室のある7階に向かいます。
ここには担当者の方がいて、出席者の確認、提出書類の確認などを行います。
今回は直前まで資料集めをしていたので、当日持ち込みの書類がありました。審査会開始前に審査官全員分をコピーして渡しておいてくれます。
その後、審査会の配置図が示され、どの場所に誰が座るのか決めるように言われました。
請求人側、入って右側手前の席4つが我々の陣地です。話す順番、主たる代理人が左上の席に座るように求められましたので、私がその席に着く事になりました。
今回は、請求人ご本人は怪我の為出席できませんでしたが、事業主側の社長が事件の証人として出席してくださったので、私の隣の席に座っていただく事にしました。
一通り決めると、することがなくなったので、ソファに落ち着きます。我々の前の回の人とおぼしき方が2名おられましたが、程なくして出て行かれました。そうすると広い部屋の中には関係者だけが残されます。
手持ちぶさたなので掲示板などを覗いてみます。ホワイトボードは「公開審理」と手書きされて、いろいろな注意事項等が貼られています。審査会は1日の間に十数件行われるようで、予定がずらっと並んでいます。
しばらく待っていると、やがて順番が来ました。係員に案内され、いよいよ審査会場へ向かいます。
つづく・・・。
事件の概要と対策は”再審査請求の事件の概要と対策 再審査請求・参加日記【中編】”で
口頭審理の様子は”いよいよ口頭審理開始! 再審査請求・参加日記【後編】”で