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障害年金の更新手続きの不透明さに思う事
国会で障害年金の事が議論されていました
2020年5月19日に、参議院の厚生労働委員会が行われましたが、その中で障害年金についても議題に上がったようです。
具体的には、公明党の山本香苗議員がご質問されたものです。その中に、いくつか興味深い質疑がありましたが、そのうちの1つを取り上げてみたいと思います。
障害年金の更新の時期についての質疑
それは、障害年金の更新手続きに関する事です。
障害年金では、先天性で病気も治る見込みがない場合でも、数年に一度更新手続きを行わなければならないケースがあります。更新の際には、新たに診断書を記載してもらわなければならないので、障害者本人にとって経済的にも心理的にも負担が大きいものとなっています。又、その更新の期間も1年から5年と様々で、なぜその年数なのかという具体的な基準も示されていません。
こうした事情にある中、更新期間の基準を示したり、ずっと等級が変わっていないような方の場合は更新期間を延ばすなどの改善をすべきではないですか、という質問趣旨でした。
これに対して、厚生労働省側からは、2020年秋頃に向けて、更新期間の設定方法などの改善に向けた検討を行っていく、という回答がありました。
年金更新という心理負担
この問題は、障害者本人にとっては切実な問題です。一度年金の受給が決まる事で経済的な安定が得られるのですが、その安定は最短だと1年しか続かないという事を意味しているからです。
多くの場合、就労が困難になっていて、収入を障害年金に頼らざるを得なくなっています。その状況で、数年後にもう一度診査され、場合によっては等級が下がってしまったり、支給が停止されてしまうという不安がつきまとうという事はかなり大きな心理的負担となります。
今まで療養を続けていた人が、ある日突然、さあ働け、と言われても、そもそも就職先がすぐに見つかる訳もありません。
これは、究極的に言えば、突然、人生が詰む、という不安を抱えながら数年間を過ごす、という事を意味しているのです。
裁判にもなっているように、更新手続きの結果、同じ程度の診断内容なのに等級が下げられた、というケースもあります。又、精神疾患の場合、目に見える基準が全くないので、診断書を書いてもらう時の医師の捉え方1つで、すっかり違った結果が出てしまうという怯えは強いでしょう。
更新の期間は妥当なの?
実際、障害年金の更新についての不安のお問い合わせは沢山あります。更新期間を設けなければならないという事情は理解しますが、短い場合には1年の更新という事になると、これは首をかしげざるを得ません。
普段、あまり考えないと思うのですが、そもそも障害者とはどういう人の事を言うのでしょうか。単に一時的に心身の機能に問題がある人、という訳ではありません。障害者基本法の定義によれば、
「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」
となっています。
大事なのは、「継続的に」という文言です。
つまり、長期に渡って日常・社会生活に制限を受ける人の事を障害者と呼ぶ訳ですから、そもそも言葉の定義として、障害状態が相当に長く続く事が前提となっている訳です。どれくらいが長期なのか、というのは人それぞれで感じ方は違うとは思いますが、1年というのはちょっと短すぎるのではないかと感じます。
「障害」と認められるのには1年6ヶ月かかるのに?
そもそも、障害年金という制度においては、障害者と認定されるのには、原則として1年6ヶ月経過している事が必要とされます。
例えば、骨折して一時的に動けないからといって、それを「障害」という事はおかしいと感じると思います。ある程度長期に渡って不便が続くから、病気・怪我というくくりから、障害とというくくりに変わっていく訳ですから、認定まで1年6ヶ月を要するというこの規程にはそれなりに納得感があります。
しかし、障害と認めるのには1年6ヶ月の観察期間を要するという法律の建て付けになっているのに、その後はそれよりももっと短い1年毎に見直す事もある、というのはちょっとおかしいのではないでしょうか。
もっと長い目で見て
私は、少なくとも3年とか5年くらいのスパンで見るのが良いのではないかと思います。
仮に1年とか2年で症状が改善してきたとしても、それですぐに働けるようになる訳ではありません。まず就職先を探さなければならない、という事もありますが、長年患っていた人は身体的にも社会的にも体力が落ちています。いきなり元通りに働けるようになるのは希なケースではないでしょうか。
うつ病などの精神疾患の方が職場に復帰する時は、いきなり元通りに働くのではなく、リハビリ出勤という期間を挟むようにしている会社が多くなりました。まずは、家を出て会社に行ってみる。行っただけで何もせずに帰ってきて、通勤ができるかどうかの訓練をします。その次のステップで会社の中に入ってみて、同僚と顔を合わせる。それから短時間勤務をして、徐々に時間を長くして、ようやく元通りに働けるようになるという段階を踏んでいくのです。
このステップも必ずしも順調にいくとは限らない訳で、何度も再チャレンジする事もありでしょう。そう考えると、短期間で症状を細かく調べ、ちょっとでも良くなったらすぐ支給打切、というのは少し人間性に欠ける制度なのではないかと思ってしまいます。
更新期間については文句の1つも言えない制度設計
ちなみに、障害年金という制度には、自分の思っていた結果と違った場合には、審査請求と言って、不服申立をする制度があります。
しかし、今回取り上げている更新期間については、不服申立できる事項から外されています。従って、一度年金機構から言い渡された更新年数については、一切変更する手段がないのです。更新期間についての基準も示されず、それについて異議申立もできないというのもおかしなものです。
年金というものは、自分が長い間支払ってきた保険料を元にして受け取るものです。国から助けてもらうという性格のものとは全く異なっています。にも関わらず、短期間の間に病状を報告させ、隙あらば等級を下げようという姿勢が垣間見られる現状には寂しさすら感じられます。
秋までには何らかの検討を行うとの事ですので、是非注目して行きたいと思います。
今後の議論に期待してます
今回、この件を知り、あまり世間には知られていない所でも、こうして厚生労働省と議論してくれている人がいるというのはありがたいと思いました。個人的には、れいわ新選組で選ばれた方達に期待しています。
私は、特に公明党やれいわ新選組を支持しているという訳ではありませんが、こういう問題は党派を超えて、より良い制度にしていってほしいと切に願います。
※ 今回の参議院厚生労働委員会の様子は、参議院のホームページで動画で見る事ができます。
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=5797
動画自体は長いのですが、下の方にある「発言者一覧」の中の、「山本香苗」というリンクを押すと、山本議員の質疑から見る事ができます。

愛知県(名古屋・春日井等)を拠点に、岐阜・三重を含む地域で障害年金の請求をお手伝いしている社会保険労務士の渡邊智宏です。自身がそううつ病を経験したことから、病気による生きづらさや不安にも自然と目が向きます。その経験を活かし、一人ひとりの事情に耳を傾けながら、障害年金の手続きをサポートしています。初回の出張相談は無料ですので、「よくわからない」「不安がある」という方も、どうぞ気軽にご相談ください。
【コロナ対策】今すぐ利用できる公的”経済支援”
新型コロナウイルスへの経済対策は?
新型コロナウイルスが猛威を振るい、正常な社会生活を送ることが難しい状況になってきました。外出の自粛などによって経済活動が大幅に縮小していっています。
こうした危機にあっても、日本国政府は速やかな対応をしているとは言えない状態です。経済対策はこれから考えて、補正予算を通します、と言っているのですから、実際に対策が動き出すのは5月以降になるのではないでしょうか。
いつ、何を実施するのかが不明瞭な中、アルバイトや派遣社員、自営業者など、仕事が減った分、ダイレクトに収入に影響してくる人はどうすれば良いのか途方に暮れている事と思います。
コロナウイルス対策の緊急貸付制度
そんな中で、現在、すぐに対応してもらえる対策として、生活福祉資金貸付制度というものがあるそうです。
私の専門分野ではなく、急遽、厚生労働省のHPなどで集めてきた情報です。正確性には自信がないのですが、速報性が高いと思いましたので、急ぎアップする事としました。詳しい問い合わせ先は、社会福祉協議会となります。正確な内容や具体的なご相談は、社会福祉協議会までお願い致します。
今回、ご紹介するのは、社会福祉協議会が実施している「生活に困っている人向け」の融資です。元々あった制度ですが、今般のコロナウイルスによって生活に影響が出てしまった場合に柔軟に対応する事となったものです。
新型コロナ対策担当大臣の西村やすとし大臣のツイッターでも次のように紹介されております。
まずは緊急小口資金20万円、その後月20万円(2人以上の世帯:1人なら15万円)×3ヶ月。これで何とかしのいでもらえればと。市町村の社会福祉協議会が窓口です。返済免除できるものです。さらに補正予算で支給金、具体的制度設計を急ぎます。 https://t.co/bisqXdNol3
— 西村やすとし NISHIMURA Yasutoshi (@nishy03) March 29, 2020
新型コロナで収入が減ってしまった方や失業状態になってしまった方に特別措置をするという制度です。
具体的な内容
制度としては2段階になっています。
緊急小口資金
まず、緊急小口資金として、最大20万円の貸し付けを受けられます。失業や休業した場合だけでなく、コロナウイルスの影響で収入が減少してしまった場合でも対象となります。又、個人事業主として登録していない、いわゆるフリーランスの方も対象となるようです。
保証人などは不要で、無利子での貸付です。返済は返済猶予期間が1年あり、その後2年以内に返済する事となっております。しかし、返済時も生活が苦しい状態であれば、返済を免除する事もあります。免除の規程については、まだ詳細が決まっていないようですが、厚生労働省のHPによれば、「なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還(返済)を免除することができる」とあります。住民税が課されない程度に所得が低い状態が続けば免除されるというように読めます。
総合支援資金
この緊急小口資金の貸し付けを受けた後も、まだ生活を立て直せない場合、総合支援資金という制度があります。こちらは、3ヶ月間、貸付を受けることができます。金額は、世帯2人以上の場合は最大20万円/月、単身世帯の場合は最大15万円/月となっています。こちらは返済期限が10年以内となっています。又、緊急小口資金と同様に、無利子であり、保証人も不要となっています。返済時に生活困難であれば、返済免除の可能性もあります。
相談窓口
相談先は、各市区町村にあります社会福祉協議会となります。
愛知県の社会福祉協議会のHPはこちらになります。
http://www.aichi-fukushi.or.jp/news/corona_koguchishikintokurei.html
返済について、厚生労働省のHPでは、先にも述べましたとおり住民税非課税世帯であれば免除される旨の記載があります。しかし、愛知県の社会福祉協議会のHPでは、「※注意:本資金は貸付金であり、償還(返済)していただく必要があります。」とわざわざ注意を強調しております。この様に、まだ制度の拡充についての周知が行き届いていない可能性もあります。できるだけ事前に厚生労働省のHPなどで情報を収集しておいた方が良いかも知れません。
最後に
公的機関なので、診査などに時間がかかり、消費者金融のように、即日融資、という訳にはいかないと思われます。又、窓口にも、これまでよりも多くの人が駆けつける事もあるかもしれません。
金銭的に不安のある方は早めにご相談する事をお勧め致します。
参考までに、厚生労働省で公表されているパンフレットのリンクを貼っておきます。
https://www.mhlw.go.jp/content/000613522.pdf
こういう事態になってしまい、政府の対応も後手に回ってしまっている状況です。今使える制度を積極的に利用して、何とかこの難局を乗り越えていきましょう。

愛知県(名古屋・春日井等)を拠点に、岐阜・三重を含む地域で障害年金の請求をお手伝いしている社会保険労務士の渡邊智宏です。自身がそううつ病を経験したことから、病気による生きづらさや不安にも自然と目が向きます。その経験を活かし、一人ひとりの事情に耳を傾けながら、障害年金の手続きをサポートしています。初回の出張相談は無料ですので、「よくわからない」「不安がある」という方も、どうぞ気軽にご相談ください。
無念の棄却 再審査請求・参加日記【結果編】
◆ 再審査請求、裁決書到着
今年の6月に、東京で行われた再審査請求の結果が到着しました。
審査会場までの様子は”厚労省の対応に不服あり! 労働保険審査会・参加日記【前編】”
事件の概要と対策は”再審査請求の事件の概要と対策 再審査請求・参加日記【中編】”でご覧下さい。
◆ 結果は・・・、無念の棄却
結果は、残念ながら棄却。つまり「負け」でした。
やはり行政の壁は厚く、一筋縄ではいかないようです。
◆ 請求棄却の理由とは
結果を記した「裁決書」の棄却の理由によると、概略こういう事です。
1、今回検討するのは両足の麻痺などの神経症状や関節・運動障害についてである。
2、画像所見、他覚所見がなく、脊髄損傷である事を示す医学的説明はできない
3、厚生労働省の基準は、MRIやCTなどの画像所見で裏付けられる麻痺が対象となっている。
4、今回も画像所見などはないので脊髄損傷ではない
5、脳損傷やその他の原因による可能性については、他覚的な証拠がない
6、よって当初の判断は正しい
話をまとめて言うと、脊髄損傷、その他の障害である事を示す医学的な証拠はないので、下半身が動かないという事実も存在は確認できないと言っているようなものです。
◆ 雑感
確かに証拠がないと言えばその通りなのですが、実際には全く歩くことも立つ事もできないという請求人の現実は関係ないという、極めてお役所らしい回答には説得力を感じません。
今回の再審査請求は、裁判ではなく、あくまで厚生労働省の枠内で間違いがなかったかどうかを再検討するという会です。その会の性格を考えると、こういう結果が出てくることはある程度予想されてはいました。
つまり、役所が最初に下した判断が絶対に間違っている、という証拠を突きつけない限り、対応は変わらないというスタンスの会なのですから。そこは再審査請求という制度上の制約なのかもしれません。
この後、行政訴訟という、厚生労働省を相手取った裁判を起こすことは可能です。
ただ、下半身が全く動かなくなるという突発的な事故の後、家族はそれまでと全く違う生活を余儀なくされ、疲弊しています。裁判を戦うほどの気力や体力はなかなか残っているものではありません。今後、どのような展開をするのかは未定ですが、事前の様子では裁判までは行わないだろうと予想されます。
皆で色々と知恵を絞りがんばってきましたが、とても残念な結果となってしまいました。どんな現実があろうと役所の決めたルールは曲げられないというお役所の画一的対応への無力感をたっぷり味わう事となった案件でした。
FAX番号変更と特定社労士の資格追加のお知らせ
先日、事務所のFAX番号を変更いたしました。
今までは、0568-92-4864でしたが、下一桁が代わり、0568-92-4861としました。電話番号とFAX番号を分離した訳です。
そうすると名刺の表記を変えなければなりません。名刺の表記換えという意味では、もう一つ換えなければならないものがありました。
それが特定社労士の表記です。
特定社労士というのは、社労士の中でも紛争解決手続代理業務というものをできるという資格を有する者のことを言います。
長ったらしい名称ですが、平たく言うと、労使間のもめ事を仲裁する仕組みに参加できるというものです。
残業代の未払いで社員が会社を訴える、という時に、裁判をするとなると双方大きな負担になります。そこで、裁判までは行かないけど、第三者を挟んで話し合いで解決しましょうよ、という仕組みがあるのです。
その時に、労働者や会社の社長の代理になって話し合いに参加できる資格が特定社労士というものなのです。
この資格は、一応研修と試験があって、その合格者が特定社労士になりますという手続をしないと名乗れません。
試験を一昨年に受けて合格していたので、この度FAX番号と一緒に変更しようとなり、申請手続を行いました。
その新税手続が受理され、受領印を捺印された副本が本日返送されてきました。
12月1日から特定社労士となり、紛争解決手続代理業務も取り扱うことができることになります。
今後は、そうした紛争解決に向けた事案も取り扱って行きますので、ご相談等ございましたら是非ご連絡ください。
いよいよ口頭審理開始! 再審査請求・参加日記【後編】
◆ 労災保険、再審査請求の為、東上。
労災保険について再審査請求について、労働保険審査会の公開審理に出席する為、東京へ行ってきました。
審査会場までの様子は”厚労省の対応に不服あり! 労働保険審査会・参加日記【前編】”
事件の概要と対策は”再審査請求の事件の概要と対策 再審査請求・参加日記【中編】”でご覧下さい。
◆ いよいよ審査会会場へ
審査会控え室で待っていた我々に、係員が会場への移動を促します。いよいよその時が来ました。出席者3人、緊張の面持ちで8階へ向かうエレベーターに乗り込みます。そのまま会場入り口に案内され、扉が開きます。
開くと、驚くべき会場が待っていました。事前に情報収集しており、かなりの人数の関係者がいるので、相当プレッシャーは感じるだろうと予想はしていましたが、思いの外立派な会場の為、それだけでも圧倒されてしまいます。
一般的な感覚で、長机が並んでいて、そこにずらっと審査員初め関係者が並んでいるのかと思っていました。が、あに図らんや。それぞれ独立した専用の立派な机があり、それぞれの位置についています。正面から見ると、中央の審査長を中心にまるで陣形を組むかのようで、人の数以前に、その陣容に驚かされてしまいました。しかも、それほど広い部屋でもないのに全員の各机には立派なマイクが二つずつあります。どうやら速記官という人が専門に速記をするのですが、同時に全ての発言を録音するらしく、速記録と同じ机にはどこぞのDJかテレビ局にあるようなマイクミキサーがあります。
◆ 審理会場の陣容
予想もしなかった目の前の光景に、一瞬ひるんでしまいましたが、すぐに気持ちを切り替えて挑まなければ気圧されると思い、グッと胸を張って入場します。落ち着いて見回してみると、入って右側、審査員たちと向かい合うような形で我々の机が四つあります。その左隣には、多分厚生労働省の官僚とおぼしき人がひとり、既に座って待っています。部屋の中央に堂々と鎮座する審査長は、なかなか恰幅の良い中年の女性です。その両翼に審査員が並んでいます。審査員と我々の間の両側に、参与という労働者・使用者等の意見を代表する人たちが横向きに座っています。
◆ 審理開始、再審査請求の内容を陳述
自分の席に腰掛け、必要な書類を手元に出し、気持ちを落ち着かせます。
審査長が開会を宣言し、早速主張の趣旨を説明するように言ってきます。裁判ではないのですが、内容的にはそれに近く、我々は訴える側、厚生労働省が訴えられる側という形になります。そこで、訴えた我々がその内容を説明するという事になります。口火を切って私が話を始めますが、初めに「書面で提出したことと重複した事は言わないように」と注意されていましたので、書面記載以外の内容を簡潔に述べます。その後、社長が、事故の概要や請求人本人がいかに真面目で安全意識の高い社員であったかなどを証言します。
一通り請求人の意見陳述が終わると、訴えられた側に当たる厚生労働省側の官僚の意見を述べるように求められます。これは、本当に形式的なもので、事前情報の通り、「請求を棄却するよう求めます。」と一言だけ述べて終了します。
◆ 審査員、参与からの質問
ここから審査員、参与からいくつか質問されます。こちらが予想もしないようなことを結構聞かれました。特に、労災の怪我に至る前提の一つとして、事故の重大性を訴えていたので、その点について多くの質問が寄せられました。事故現場での事やその前後の対応は、実際に現場で指揮を執った社長がいてくれましたので、ほとんど社長に回答していただきました。その辺りは現実の対応を知っている社長に同行していただいて本当に助かりました。
あっという間に30分が経ったようで、最後に言っておきたい事はあるか、との問いかけに社長がひとしきり請求人本人の人柄と事故の重大性、現実の傷病の状態をしっかり見ていただいて検討して欲しいという事、この請求が認められる事が社会的な意義があるという事を言っていただき審理は終了しました。
◆ 審理終了後・・・
審査が終わり会場を出た後、エレベーターに乗りそのまま会場を後にします。最寄り駅の浜松町に向かいながら喫茶店を探し、終了後の反省会をしました。言うべき事は全て言ったという事、審理内で答えきれない事があったので、それについては書面で回答する事などを確認しました。回答及び追加の資料提出期限は審理の日から1ヶ月以内との事です。
しかし、口頭審理だけで全てが決まる訳ではないので、引き続き情報の収集に当たり、できるだけ有利になる証拠収集を続けなければなりません。まだ終わった訳ではないのです。とは言え、一息ついた事も事実。夕食がてらビールで乾杯し、しばらく語らった後、新幹線にて帰宅しました。
まだやるべき事が少し残っていますが、良い結果が出てくれる事を切に祈っています。
審査会場までの様子は”厚労省の対応に不服あり! 労働保険審査会・参加日記【前編】”
事件の概要と対策は”再審査請求の事件の概要と対策 再審査請求・参加日記【中編】”でご覧下さい。
再審査請求の事件の概要と対策 再審査請求・参加日記【中編】

◆ 事件の概要
さて、今回、東京に出て再審査請求の口頭審理に出席する事になりました。その道中記は
”厚労省の対応に不服あり! 労働保険審査会・参加日記【前編】”
”いよいよ口頭審理開始! 再審査請求・参加日記【後編】”でご覧下さい。
その事件の内容について、守秘義務にかからない範囲で説明しておきたいと思います。なお、本人等が解らないようにといった配慮の元での事例発表の許可を受けております。
事件の概要は次のようなものです。
◆ 事故
大型のトレーラー(20t)で移動中、突然道路が陥没し、車輪がはまり急停止した。運転中のA氏は、落下と急停止の衝撃により、車内搭載の機械(ETC)に頭を激しくぶつけた。シートベルトは着用、ヘルメットもかぶっていた。
目立った外傷はないが、足が痺れ、自力で立ち上がったり車を運転し続ける事は困難。傘を杖代わりに何とかその日は帰宅するが、翌日、足が痺れて全く動かなくなっていたため、救急車で緊急搬送される。
◆ 事故後の経過と労災請求
その後、痺れはとれず、足首の麻痺も残存したまま。約3年以上経過した今も、両足首の麻痺の為、立ち上がる事もできず、屋内では這って、屋外では車いすで移動している。リハビリクリニックも通院を続けている。
事故後、約2年後に治癒として傷害補償給付を請求するが、「体幹から両下肢の局所に神経症状を残すもの」として最低等級の14等級と認定。
◆ 審査請求の結論
これを不服として審査請求を行うが、審査の結論は「そもそも残存する傷害は認められない」として等級不該当。その理由は、医師の診断書に「脊髄損傷」と記載されているが、脊髄損傷は「外傷直後の症状が一番強くて、次第に回復する」ものだが、この事件では、事故直後より翌日以降の症状が悪化している。CT、MRI等の画像所見も異常がない。従って、これは脊髄損傷では説明できず、他覚的所見もないので、「後遺障害は認められない」というもの。本来は労働基準監督署長の下した14等級も不該当なので取り消すところだが、審査請求は請求人の有利にする事が目的なので、14級の取り消しは行わない、とした。
◆ 事件についての所感
事件の被害者であるA氏は、未だに自分の足で立つ事ができず、車いすでの移動を余儀なくされていて、リハビリ病院にも通い続けているという事実があります。又、労災認定については、国民年金、厚生年金などの障害年金とは異なり、実際に地方労災医員という医師が診断した上で等級が決められます。実際に1人では立つ事すらできないにも関わらず、そんな事実はないと言い切った結果にA氏は非常な憤りをもっています。又、事業主である社長も、この決定には納得がいかず、審査請求時から不服申立をするようA氏に働きかけています。
事件の内容、A氏への聴き取りを続けて行くうちに、結局書面でしかものを見ていないお役所仕事と、何かと理由をつけて支給額を抑えようという意図が透けて見え、怒り心頭に発っします。
◆ 基本方針
再審査請求をするに辺り、方針としては、まず事故を契機に、事実として歩く事はもちろん、立つ事もできずに苦しんでいる、という現実をまず見て欲しいということを掲げました。
正直、画像所見等がない事から、請求時に14級だったのは「お役所仕事」である労基署の性格上、やむを得ないと思ってしまいます。しかし、それを何とかする役目である審査請求においてこのような判断が下った事には怒りしか感じません。
審査請求では、一般的な脊髄損傷の症状にぴったり適合するか否か、にしか焦点が当たっておらず、A氏が立てようが立てまいが関係ない判断でした。本当に脊髄損傷ではないのか。又、仮に脊髄損傷でなかったとするなら、その他の可能性について考えられないのか、という2点が現実的な対応となります。
◆ 本当に脊髄損傷ではないのか?
まず、本当に脊髄損傷に当たらないのか、については、過去の裁判例に助けを求めます。
やはり脊髄損傷というのはこれまでにも争点となっているようで、調べてみると今回とほぼ同じような症状でも、脊髄損傷を否定まではできない、として認められているケースが多数見られました。
そうした過去の例などを引きながら、今回の件も、必ずしも脊髄損傷を否定するような積極的な証拠はない、と主張しました。
◆ 脊髄損傷以外の可能性を求めて
次に、脊髄損傷以外の可能性についても検討してみました。
すると、頭を強打しているので、画像には映らない微細な傷がついて麻痺などの傷害が残るという症例で労災が認められているという事例がある事が解りました。こうした他の疾病の可能性がある以上、単に脊髄損傷を否定したからと言って労災の等級に該当しないと言い切る事はできない、と主張しました。
◆ 通達ではなく、「現実」を見て!
もう少し専門的に言うと、労災の各種補償の支給の法律的要件は、労働基準法の災害補償の規定を満たしていれば良いという事。そして、労働基準法上の傷害補償の法律的根拠を述べ、今回の事件がその支給の要件を満たしているという事を述べました。今回の等級認定の根拠は、実は法律ではなく、厚生労働省内の内部規律文書である「傷害認定基準」という通達でしかありません。あくまで通達でなく法律で、そして傷病名にとらわれる事なく、「現実の状態」を見て判断して欲しい、という事です。
これらの主張がどのような結果をもたらしてくれるのかは解りません。結果が出るのにはまだ数ヶ月を要します。なんとか良い結果が出て欲しいと祈ってやみません。次回、後編ではいよいよ口頭審理に向かいます。
つづく・・・。
実際の口頭審理については”厚労省の対応に不服あり! 労働保険審査会・参加日記【前編】”
”いよいよ口頭審理開始! 再審査請求・参加日記【後編】”でご覧下さい。
厚労省の対応に不服あり! 労働保険審査会・参加日記【前編】
◆ お役所の対応に納得がいかない時は・・・
日々を過ごしていると行政と関わる事も少なからずあるものです。そして、その行政の対応に納得がいかないということもままあるものです。

そうした時は、行政のやり方が気に入らない、と文句を言って適切な対応をし直すように再検討してもらうことができます。その制度として、よくあるのが審査請求というものです。この審査請求という制度を使えば、行政訴訟といった大げさなことをせずに自分の不満をぶつける事ができるのです。
そして、その審査請求でも意が通らなかった場合、さらにもう一度再考を願い出る再審査請求というものが用意されていることがあります。
再審査請求では、書面の提出もできますが、審査をする人たちに会って自分の思うところを直接述べる機会が得られます。審査するのも1人ではなく、複数の委員からなる審査会というものをつくり、その人たちの合議によって決まります。また、参与としてお役人さん以外の人が意見を述べたりもします。
ここでも不服が是正されなければ、もはや裁判しかないという最後の機会なので、審査請求よりもより公平性などが補償されているわけです。
◆ 労働保険審査会に参加してきました
さて、先日、ご依頼をいただいて、この再審査請求のお手伝いをする機会がありました。今回は労災の傷害認定に関する不服申立でしたので、管轄は労働保険審査会というところです。
この労働保険審査会というのは東京にあります。最近はビデオ会議システムが普及していて、必ずしも東京まで出向かずビデオ会議での申立もできるそうです。が、今回は、相手と会ってしっかり話をしたいということで東京に赴くこととなりました。
久しぶりの新幹線にちょっぴりウキウキしながら東京へ向かいます。審査会の開会時間は15時30分からなのですが、不測の事態に備えるということ、直前まで打合せをしたかったということ、心の余裕を確保するためということといった理由で、かなり早めに東京に入りました。
お昼過ぎには参加者全員が集まり、遅めの昼食をとりながら簡単にミーティング。その後、審査会会場の場所を確認してから、近くの喫茶店に陣取り本格的に作戦会議です。当然、これまでに何度も何度も会って打合せをしていますが、直前まで情報収集や新しい証拠探しなどを行っていたので、まずはそれら各自の持ち寄った情報確認からです。最終的に集まった情報から、若干の作戦の修正を行い、話す内容の役割分担などを最終チェックします。
◆ いよいよ審査会会場へ
審査会場となるのは、東京の浜松町にある労働委員会会館というビルです。
審査会は8階で行われますが、まずは審査会出席者の控え室のある7階に向かいます。
ここには担当者の方がいて、出席者の確認、提出書類の確認などを行います。
今回は直前まで資料集めをしていたので、当日持ち込みの書類がありました。審査会開始前に審査官全員分をコピーして渡しておいてくれます。
その後、審査会の配置図が示され、どの場所に誰が座るのか決めるように言われました。
請求人側、入って右側手前の席4つが我々の陣地です。話す順番、主たる代理人が左上の席に座るように求められましたので、私がその席に着く事になりました。
今回は、請求人ご本人は怪我の為出席できませんでしたが、事業主側の社長が事件の証人として出席してくださったので、私の隣の席に座っていただく事にしました。
一通り決めると、することがなくなったので、ソファに落ち着きます。我々の前の回の人とおぼしき方が2名おられましたが、程なくして出て行かれました。そうすると広い部屋の中には関係者だけが残されます。
手持ちぶさたなので掲示板などを覗いてみます。ホワイトボードは「公開審理」と手書きされて、いろいろな注意事項等が貼られています。審査会は1日の間に十数件行われるようで、予定がずらっと並んでいます。
しばらく待っていると、やがて順番が来ました。係員に案内され、いよいよ審査会場へ向かいます。
つづく・・・。
事件の概要と対策は”再審査請求の事件の概要と対策 再審査請求・参加日記【中編】”で
口頭審理の様子は”いよいよ口頭審理開始! 再審査請求・参加日記【後編】”で
障害者だからこそ起業しろ! 「働く、ということ」
本日は、御用納め。
年末ということで忙しい雰囲気のなかですが、少し時間がとれたので、久しぶりに喫茶店にて読書するという贅沢をしました。
十万人に一人という難病で、自力でできることは「話す」こと、「指先を1センチ動かす」ことぐらいという重度障害者が、19歳にして社長になったという「寝たきり社長の奮闘記」。
非常に自分のテーマと重なっているので、本屋で見て、即買い、即読みしました。
常々、私も障害者、とりわけ精神障害者は起業すべきだと考えてきました。本書は、まさにその考えを実証してくれた方の体験記です。
養護学校を出ても、自分が働ける場所がないという事実に直面。だったら自分で会社作れば良い、という発想力と行動力。
しかも、その結論に達したのは19歳の青年です。恐るべし、です。
私自身も精神疾患を患っており、仕事でも同じような病気の方と接する事が多いのですが、皆さん就職には大変苦労されています。
治ってしまうか、それとも、症状が固定化してもうこれ以上は良くはならないだろうなと感じたあたりで社会復帰を志しますが、空白の職歴が大きな障害となって立ちはだかります。
人の本能として、何もせずにぶらぶらしている、という事には納得できないようで、それは自分自身の居場所を確保するという意味とほぽ同義なのだと思います。
その居場所というのは、別に会社に行って働くという事でしか得られないというものではなく、家事労働や勉学に励むといった事でも良いのです。
自分のやるべき事がちゃんとあり、そのやるべき事が身近な人から、そして自分自身から認められているという事が最大の問題です。
今の世の中では、それは、ほぼイコール会社勤めとなっています。少なくとも成人男性には。
そこで、女性はどうなんだとか言い出すと、ジェンダー問題とか出てきてやっかいなので言いませんが、少なくとも日本の成人男性は、この「会社勤め」という言葉に生涯、縛られているように見受けられます。
例えば、定年退職した事を考えてみると、家にも近所にも居場所がない。果ては定年と同時に離婚だ、なんて事も言われています。
会社勤めをいかに上手くこなすか、という事が日本人男性にとっての存在意義となっていた事で、うまく高度経済成長ができたという側面はあるものの、しかし、会社勤めなるものが一般化したのは戦後のたかだか半世紀そこらの歴史しかないのです。
それ以前は、会社勤め以外の選択肢があった。
普通に町の商店街で自営業を営む人がいて、職人さんもいて。
昔の方が良かったなどと言うつもりはありません。社会保障はしっかりしていなかったり、丁稚奉公とか割に合わない制度もあったりします。
そもそも職業選択の自由があったかどうかも定かではありません。
現代の方が生活レベルが高いのも事実です。
会社という組織は全く否定されるべきものではない。ただ、時代が変わったと。
精神障害者は起業すれば良いのに、という思いと同時に思っている事があります。
それは、職業としての自営業、というものが復活すれば良いのに、という思いです。
今、起業しよう、という人がいるとします。そうすると、余程の変わり者か、金の亡者と思われるかのどちらかです。
経営者の方々も、リスクを背負って一旗揚げたからには、サラリーマンよりも多くの所得を得なければいけないと考えています。
終身雇用の安定した生活を捨ててまでリスクテイクしたからには、それなりのリターンが得られて然るべき、という考えは極めて合理的です。
が、その前提は既に崩壊しています。終身雇用こそが日本の不景気の元凶とも言うべき状況になっています。
世界で生まれている新しいビジネスが、なぜ日本では生まれないのか、という議論がよく聞かれるようになりました。
もっと端的に、なぜiPhoneは日本では生まれなかったのか、と言ってもいいでしょう。
その答えは、iPhoneを生んだスティーブ・ジョブズという人を考えれば明らかです。
スティーブ・ジョブズが日本の企業に入っても、おそらく何の業績も上げられない事でしょう。
なぜなら、彼は「変わり者」だからです。
彼は協調性に欠け、ワガママだった。
その「個性」を貫いたからこそのiPhoneであり、Macintoshであるのです。
日本にスティーブ・ジョブズが生まれたとしても、既存の日本の企業からiPhoneは生まれなかったことでしょう。
別の新しい企業をひっさげて、新製品を世に問うたのだろうと思います。
全く新しい事を考える人を排除する組織というものは、日本だけの問題ではなく、どの組織でもある話だと思います。
しかし、日本には、「会社勤め」以外の選択肢が極端に少ない。そこが問題点なのだろうと考えています。
長期間の雇用は、人生を安定させますが、社会そのものも必要以上に安定させてしまいます。
どうも「起業=一攫千金」という構図は今の日本の発展を阻害しているとしか思えません。
もう少し、会社を起こすという事が一般になじんだ方が良いと思うのです。
さて、健康な人ですら、今後は自営業を営む人が増えるのではないかと思っている昨今です。いわんや、不健康な人をや、です。
マイノリティであれば、自分に都合の良い環境は自分自身で手に入れるのが一番合理的です。
会社が居心地が悪いのであれば、居心地の良い会社を作ればいい。
実に合理的。
その答えにたどり着き、自ら行動を起こした本書の著者には感服です。
実際問題として、健康で楽しい毎日を送っている健常者の方より、どうせ障害者雇用で就職したところで将来はたかが知れている、と開き直れる障害者の方が起業向きなのではないかと思うのです。
弱点があるからこそ、それを強みに変える事が求められます。
著者は、自分たちが障害者である事は弱みでもあるが、強みでもあると自覚しています。
障害者が自ら起業したという事にニュースバリューがある事を見抜いて、自ら新聞社に働きかけもします。
その当たりのしたたかさというのも、見習うべき点です。
自分の負い目を逆手にとる、というのは、言うは易く行うは難し。
そうそう簡単に自分のコンプレックスを赤裸々には語れないものです。
それこそ、まさに私の人生のテーマでもあります。
1年の終わりにこの本に出会えたのは幸運でした。
「障害者でも起業した」ではなく、「障害者だからこそ」起業した。
その一点にこそ、この本の最大の価値がある。
そして、それを可能にしたのは、スカイプであったり、Webページ制作業であったりというIT産業のたまものです。
これぞITの社会的活用の教科書ではないでしょうか。
講演会、出演!! 題して「人も組織も元気にするメンタルヘルス講習会」
本日は、今年一番の目標としていたメンタルヘルス対策の講演を栄の中日パレスで行ってきました。
「人も組織も元気にする メンタルヘルス講演会」と銘打ってのセミナーでした。名北労働基準協会さん主催、名古屋北労働基準監督署後援というビッグネームをお借りしたおかげで、約100名の方にご参加いただけました。

今回の講演会は、10月1日から始まる全国労働衛生週間のキャンペーンとして開催されました。今年の労働衛生週間のスローガンは「心とからだの健康チェック みんなで進める健康管理」となっており、メンタルヘルスに重点がおかれています。私としては、まさに夢のような舞台であり、このような機会を下さいました名北労働基準協会様には感謝に絶えません。
★ こんな事お話しを
内容は、労使関係は契約が基本であり、その契約内容には安全配慮義務が含まれている、という事から説き起こし、パワハラ・セクハラ、長時間労働といった原因となる事案への対策、休職・復職・リハビリ出勤への対応、睡眠管理の勧めといったものでした。少し欲張りすぎたという反省はありますが、様々な業種の実務担当の方々が参加されるという会の趣旨を考えれば、やはり一通り網羅しておくべきで、どれも外せない内容だったと思います。
★ 失敗もあったけれど
自分のパソコンを持ち込んでスライドを映させていただいたのですが、その設定に手間取った事が、実は今日一番緊張した場面でした。というのも、私はMacのKeynoteというプレゼンソフトを使って資料を作成していたため、現場にあるPCと互換性がなく、万一自分のパソコンが上手くつながらなかった場合にはスライドなしで講演しなければならなかったからです。試行錯誤の結果、何とかつながったので一安心しましたが、事前の準備の大切さを痛感いたしました。家のモニターにつないだ時には簡単に接続できたのですが、プロジェクターでは手こずりました。今日ばかりは自前のプロジェクターが欲しいと思いました。
また、この手のプレゼンソフトには、発表者用のあんちょこを書くスペースがあり、手元のモニターにだけそれが表示されるという仕掛けがあるのですが、それも上手く作動せず、実は頼りのあんちょこなしで本番をしのぐ事となってしまいました。無論、考え抜いて作ったものですので、内容は空で言えるくらいにはなっているのですが、本番前にそうした事態に気づくとギョッとしますね。
★ いろいろと嬉しい1日でした
そんなちょっとしたアクシデントもありながら、無事終了する事ができました。また、労働基準監督署長様という大変立派な方とお茶をご一緒できるという貴重な機会もいただき、大変充実した1日となりました。
ずっと以前から構想を練り、直前まで、本当に直前、今朝出かける前まで推敲を重ね、自分でもまずまずの出来だと思う結果を出せたのは本当に良かったなぁと思いました。。
特に、講演会終了後、「とてもためになりました」とわざわざ仰って下さった方がいて、こうした一言が本当に励みになるものなのだと感激しました。
★ ご褒美編 カレーとビール
という訳で、昼はカレーを食べました。カレーは良いものなので、嬉しい時によく食べに行きます。

夜は、発泡酒とかリキュールではない、本物のビールでちょいと乾杯です。
労働者の属性の定義を厳格に! 労働関係改正法セミナーに参加して
労働法界隈の今月最大のニュースと言えば労働契約法の改正で間違いないでしょう。
特に有期雇用労働者に関しての取扱いの変化について、企業側はしっかりした対応を迫られることになりそうです。
とは言え、まだ改正されて間がなく、今後どのような展開をとるのか解らない部分もあり、私たち社会保険労務士も積極的な情報収集が課題となっています。
そんな訳で、いち早く対策セミナーを行った名北労働基準協会の「労働関係4法改正等対策セミナー」に参加してきました。
このセミナーは、労働契約法だけでなく、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法、労働者派遣法と四つも重なった労働関連法の改正について、まとめてやっつけるというタイムリーなものです。
内容については、また別エントリをたてたいと思います。とりあえず、改正法を全体として俯瞰して見た感想としては、労働者それぞれの雇用形態、職務内容について相当しっかりとした定義が必要だ、というところです。
就業規則において、正社員を「期間の定めのない社員」とだけしか定義していないと、5年後に思いもかけない正社員の山を築き上げてしまいかねません。一時的に雇用しただけのつもりが65歳まで面倒見なければならないとしたら一大事です。
この四つ重なった改正のうち、三つが「高齢者」「障害者」「派遣労働」となっていて、実に世相を反映しているなあ、と暢気に考えていたのですが、そろそろ本格的に情報収集しないとやばそうです。
で、せっかく名古屋に出たことですし、向学心にも火をつけられたことですし、こんな雑誌を買ってみました。

特集は「有期・パート・派遣法制の基本的視座」。
まさに今日のテーマそのままです。
最近、日常の忙しさにかまけて本も読まずにいたので、ちょっとネジを巻き直して勉強です。







